「ステーブルコインって普通の仮想通貨と何が違うの?」
「USDTとUSDCって何?」
「1ドルくらいの価格なのに、どうして仮想通貨なの?」
仮想通貨について調べていると、USDT(テザー)やUSDC(USDコイン)
という名前を見かけることがあります。
これらは一般的にステーブルコインと呼ばれる仮想通貨です。
ステーブル(Stable)には「安定した」という意味があります。
ビットコインやイーサリアムのように大きな値上がりを狙うことを主な目的とするものではなく、
米ドルなど特定の資産に連動することを目指して設計されています。
この記事では、
・ステーブルコインとは何か
・なぜ価格が安定しやすいのか
・USDTとUSDCの違い
・何に使われているのか
・初心者が知っておきたいリスク
について、わかりやすく解説します。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、米ドルなど特定の資産に価格を連動させることを目指して設計された仮想通貨です。
代表的なものに、
USDT(Tether/テザー)
USDC(USD Coin/USDコイン)
があります。
どちらも基本的には、
1コイン ≒ 1米ドル
となることを目指しています。
例えばビットコインの場合、
今日1BTC=1,500万円だったものが、
翌日に1,400万円になる
といった大きな価格変動が起きることがあります。
一方、米ドル連動型のステーブルコインは、基本的に1ドル付近で価格を維持することを目指しています。
なぜステーブルコインが必要なの?
では、なぜわざわざ米ドルと同じような価値を持つ仮想通貨を作るのでしょうか。
大きな理由のひとつが、
ブロックチェーン上で価格の安定した資産を利用したいから
です。
仮想通貨には、
・24時間365日取引できる
・世界中へ送金できる
・DeFiなどで利用できる
・スマートコントラクトで利用できる
といった特徴があります。
しかし、ビットコインなどは価格変動が大きいため、
「今日は1万円だったものが明日は9,000円になっている」
ということもあります。
そこで、
米ドルのような価格の安定性
と、
ブロックチェーンの利便性
を組み合わせようとして生まれたのがステーブルコインです。
どうして1USDTや1USDCが約1ドルになるの?
米ドル連動型ステーブルコインでは、
1コイン=1ドル
付近になる仕組みが用意されています。
代表的なのが、発行量に対応する準備資産を保有する方法です。
例えば発行会社が1ドル相当の資産を受け取り、
1USDCを発行する
といった仕組みです。
反対にUSDCを発行元へ償還すると、対応するUSDCが流通から取り除かれる仕組みがあります。
Circleは、USDCについて米ドル建ての高流動性資産によって100%裏付けられ、1USDCを1米ドルで
償還できるよう設計していると説明しています。
「ペッグ」とは?
ステーブルコインを調べると、
ペッグ
という言葉がよく出てきます。
ペッグとは、
特定の通貨や資産の価格に連動させること
です。
例えば、
USDT → 米ドルにペッグ
USDC → 米ドルにペッグ
というように使います。
1ドルを基準にしているステーブルコインなら、
1コイン ≒ 1ドル
を維持することを目指します。
USDT(テザー)とは?
USDTは、Tetherが発行する米ドル連動型のステーブルコインです。
「Tether(テザー)」という名称から、
USDT
と呼ばれます。
Tetherは、発行済みのUSD₮が準備資産によって裏付けられ、米ドルに1対1で連動することを目指す
仕組みだと説明しています。
準備資産には現金・現金同等物のほか、その他の資産なども含まれます。
USDTは複数のブロックチェーン上で利用できます。
そのため、仮想通貨取引や送金など、さまざまな用途で利用されています。
USDCとは?
USDCは、Circleが発行する米ドル連動型ステーブルコインです。
こちらも、
1USDC ≒ 1米ドル
を維持することを目指しています。
Circleによると、USDCの準備資産は高流動性の現金・現金同等資産によって構成されており、準備資産について第三者による定期的な保証報告も公開しています。
USDCも複数のブロックチェーンやウォレット、DeFiなどで利用されています。
USDTとUSDCの違いは?
どちらも米ドル連動型ステーブルコインなので、
「結局同じじゃないの?」
と思うかもしれません。
しかし、いくつか違いがあります。
発行元
USDT
Tetherが発行。
USDC
Circleが発行。
準備資産
どちらも米ドルとの価値の安定を目指して準備資産を保有していますが、その構成や管理方法は同じではありません。
USDTについてTetherは、準備資産に現金・現金同等物のほかその他の資産などが含まれると説明しています。
USDCについてCircleは、高流動性の現金・現金同等資産によって100%裏付けられていると説明しています。
対応するネットワーク
USDTとUSDCは、それぞれ複数のブロックチェーンで利用できます。
ただし、
すべてのネットワークに同じように対応しているわけではありません。
送金するときには非常に重要なポイントです。
ステーブルコインは何に使われるの?
ステーブルコインにはさまざまな用途があります。
① 仮想通貨取引
海外の仮想通貨市場では、
BTC/USDT
ETH/USDT
などの取引ペアを見かけることがあります。
例えば、
ビットコインを売る
↓
USDTへ交換
↓
次の取引までUSDTで保有
という使い方です。
② 送金
ステーブルコインはブロックチェーン上で送金できます。
そのため、インターネットを利用して国や地域をまたいで価値を移転する用途にも使われています。
ただし、ネットワーク手数料や利用サービスの規制・ルールなどを確認する必要があります。
③ DeFi
ステーブルコインはDeFi(分散型金融)でもよく利用されます。
DeFiとは、ブロックチェーンやスマートコントラクトを利用して金融サービスを提供する仕組みです。
例えば、
・交換
・貸し借り
・流動性提供
などにステーブルコインが利用される場合があります。
④ Web3サービス
ブロックチェーンゲームやNFT、Web3サービスなどでも、価格の基準としてステーブルコインが利用されることがあります。
ビットコインとステーブルコインは何が違う?
大きな違いは、
価格を一定の資産へ連動させることを目的としているか
です。
ビットコイン
特定の国の通貨に価格を固定していません。
市場の需要と供給などによって価格が大きく変動します。
ステーブルコイン
例えば米ドル連動型なら、
1コイン ≒ 1米ドル
を維持することを目指します。
そのため、ビットコインより価格変動が小さくなることを目的として設計されています。
ステーブルコインなら絶対に価格は下がらない?
ここは非常に重要です。
ステーブルコイン=絶対に1ドル
ではありません。
市場価格が基準となる資産からずれることがあります。
この状態は、
デペッグ
と呼ばれます。
デペッグとは?
デペッグとは、
本来連動するはずの価格から外れること
です。
例えば1ドルを目指しているステーブルコインが、
0.98ドル
0.95ドル
などになれば、ドルとの連動が崩れている状態です。
一時的に価格がずれ、その後戻る場合もあれば、大きな問題につながるケースもあります。
なぜデペッグすることがあるの?
原因はさまざまです。
例えば、
・準備資産への不安
・発行会社への信用不安
・大量の売却
・市場の混乱
・流動性不足
・銀行や金融機関の問題
・ステーブルコインの設計上の問題
などです。
つまり、
「ステーブル」という名前だから絶対安全
というわけではありません。
ステーブルコインには種類がある
すべてのステーブルコインがUSDTやUSDCと同じ仕組みではありません。
大きく分けると、いくつかのタイプがあります。
法定通貨担保型
米ドルなどに対応する準備資産を保有する方式です。
USDTやUSDCは、このカテゴリーとして説明されることが一般的です。
暗号資産担保型
別の仮想通貨を担保にして発行するタイプです。
仮想通貨自体の価格が変動するため、必要以上の担保を設定する仕組みなどが利用される場合が
あります。
アルゴリズム型
プログラムや市場メカニズムなどを利用して価格を一定に保とうとする方式です。
しかし、仕組みがうまく機能しなくなる可能性があります。
「ステーブルコイン」という名前だけで判断せず、
どのような仕組みで価格を維持しているのか
を確認することが重要です。
ステーブルコインにもリスクがある
初心者は特に次のリスクを理解しておきましょう。
① デペッグリスク
1ドルを目指しているステーブルコインでも、1ドルから価格が大きく離れる可能性があります。
② 発行会社のリスク
中央企業などが発行するステーブルコインの場合、発行会社の経営や運営、準備資産の管理なども重要になります。
③ 準備資産のリスク
ステーブルコインを何が裏付けているのか確認する必要があります。
「1ドルと同じ価値」と書かれているだけで判断しないことが大切です。
④ スマートコントラクトのリスク
ブロックチェーン上のプログラムに不具合や脆弱性があれば、問題が発生する可能性があります。
⑤ 規制リスク
ステーブルコインは各国で法整備や規制が進められている分野です。
利用できるサービスや条件が変更される可能性があります。
⑥ 送金ミス
ステーブルコインは複数のネットワークで発行されていることがあります。
例えば同じUSDTでも、利用するネットワークによって送金方法が異なります。
送金側と受取側のネットワークを間違えると、資産を失う可能性があります。
送金前には必ず確認しましょう。
Tether自身も、異なるブロックチェーン上のUSD₮を送る際は対応するネットワークを確認するよう
案内しています。
「USDTならどのアドレスでも送れる」は間違い
ここは初心者が特に注意したいポイントです。
同じUSDTという名前でも、
どのブロックチェーン上のUSDTなのか
を確認する必要があります。
例えば送金側があるネットワークを選び、受取側がそのネットワークに対応していなければ問題になる可能性があります。
初めて送金する場合は、
① 通貨を確認
② ネットワークを確認
③ アドレスを確認
④ 少額でテスト
という順番で慎重に行いましょう。
ステーブルコインは銀行預金と同じ?
同じではありません。
価格が米ドルに連動することを目指していても、
銀行預金そのものではありません。
利用するステーブルコインやサービスによって、
・発行会社
・準備資産
・償還条件
・利用できる国や地域
・規制
・リスク
などが異なります。
「1USDT=約1ドルだから銀行に1ドル預けているのと同じ」
とは考えないほうがよいでしょう。
高利回りのステーブルコイン運用にも注意
ステーブルコインについて調べると、
「USDTを預けるだけで高い利回り」
などのサービスを見かけることがあります。
しかし、
ステーブルコイン自体の価格が安定していても、預け先が安全とは限りません。
例えば、
・サービス運営会社の破綻
・スマートコントラクトの問題
・ハッキング
・出金停止
・詐欺
などのリスクがあります。
「ステーブルコインだから安全」と「その運用サービスが安全」は別の話です。
初心者がステーブルコインを見るときのチェックポイント
ステーブルコインを利用する前に、最低限次の点を確認してみましょう。
① 何に価格を連動させているか
米ドルなのか、ユーロなのか、それ以外なのか。
② 誰が発行しているか
運営・発行主体を確認します。
③ 何によって裏付けられているか
準備資産や仕組みを確認します。
④ 情報公開が行われているか
準備資産などについてどのような情報が公開されているのか確認します。
⑤ どのネットワークを利用するか
送金するときには特に重要です。
⑥ デペッグの可能性を理解しているか
価格が絶対に固定されるわけではありません。
USDTとUSDC、初心者はどちらを選べばいい?
これは、
「必ずこちらを選べばよい」
とは言えません。
利用目的やサービス、対応ネットワークなどによって変わるからです。
例えば、
・どこで利用するのか
・何のために保有するのか
・どのネットワークを使うのか
・準備資産をどう考えるか
・発行元の情報公開をどう評価するか
などを確認して判断する必要があります。
名前だけではなく、仕組みを理解してから利用することが大切です。
まとめ|ステーブルコインは価格の安定を目指した仮想通貨
ステーブルコインとは、
米ドルなど特定の資産に価格を連動させることを目指した仮想通貨
です。
代表的なものには、
USDT
USDC
などがあります。
米ドル連動型の場合、
1コイン ≒ 1米ドル
となることを目指して設計されています。
そのため、
・仮想通貨取引
・送金
・DeFi
・Web3サービス
など、さまざまな場面で利用されています。
しかし、
ステーブルコイン=絶対安全
ではありません。
デペッグ、発行会社、準備資産、スマートコントラクト、送金ミスなどのリスクがあります。
初心者の場合は、
「価格が安定しているから安全そう」
と判断するのではなく、
誰が発行しているのか、何が価値を支えているのか、どのネットワークを利用するのか
を確認することが重要です。
仕組みとリスクの両方を理解したうえで、ステーブルコインについて学んでいきましょう。
※この記事は暗号資産・ステーブルコインに関する一般的な情報提供を目的としており、USDT、USDCその他の暗号資産の購入・保有を推奨するものではありません。サービス内容、準備資産、対応ネットワーク、規制などは変更される可能性があります。利用前に発行元や利用サービスなどの最新の公式情報をご確認ください。

